新型コロナウィルスのおかげで外出自粛が求められています。ご家族全員が家の中にこもりっきり。いわゆる巣ごもり生活をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな現在ですが、この時期急に「なんだか家やその周辺がやたら煙臭い時がある」と感じている方はいないでしょうか?実は私がそうで、暖かくなった今頃になってなぜか強く臭いだすことが増えました。
我が家のケースでは、その臭いの元は薪ストーブです。コロナによる外出自粛の影響なのでしょうか。緊急事態宣言が全国に広がった4月中旬以降から、複数のお宅で臭いだしています。あなたのお宅のまわりはいかがですか?
本ページでは、最近何か臭うなという方や、それが薪ストーブだと気づいた方向けに、薪ストーブの臭い問題についてまとめました。あまり深くは解説せず、手軽に概要が分かるようにまとめましたので参考にしていただければ幸いです。

準都会の住宅街でも薪ストーブの導入が増えており、我が家の近所には5件以上設置されています(汗)。ちなみに関東地方の寒くない地域でのお話です。
最近、家とその周辺が煙臭い!?薪ストーブ設置のお宅があるなら要チェック
そもそも臭うとは言っても、何が臭っているかは一概には言えません。薪ストーブの可能性かを判別するためのチェックリストを作りましたので、一つずつチェックしてみてください。
近所に薪ストーブ設置の家がある?
薪ストーブを設置している家には、屋根や家の脇ににゅっと煙突が出ているのですぐわかります。
そもそも論ですが、家の近所にそういった薪ストーブ設置の家が無ければ、たぶん他の臭いでしょう。例えば野焼きなどの燃やしている臭いかもしれません。
近所と書きましたが、やはり3~4軒以内の範囲にあるとより臭いやすいです。ただし風通しの良い環境や、使い方が極悪だと風向きによっては100メールでも強い臭いがやってくることも。一概に距離だけでは言えないことに注意が必要です。

現在の我が家がまさにその状況で、100メール離れていてもモクモク状態の時は強めの臭いがやってきます。もっと近い家はより強烈なことでしょう。
燻製のような煙の臭いがする
薪ストーブの煙の臭いは野焼きと比較的近い臭いですが、それらは草や農作物をメインで燃やしているのでわずかに違います。
薪ストーブが燃やすのは薪(木材)です。燃料である薪に使用する木材は様々なので一概には言えませんが、例えるなら燻製のような臭い。燻製も木材チップを燃やしていぶしているので、原理的には同じだからです。
燻製をしたことのある方はご存じだと思いますが、サクラやリンゴを使えば甘い香り等、燃やす木によってかなり異なります。

燻製なんていうと美味しそうですが、食べるのは良くとも自分が燻製されるのはきついです。
15分~30分ほど強く臭い、その後はしばらくおさまる。
薪ストーブは構造上、庫内が高温になれば煙もほぼ出なくなります。逆に言えば、火を焚き付けた直後は温度がすぐには上がらず、最も煙が出やすい状態。この間、15分~30分ほどは煙も臭いも強くなります。
15分~30分経つと煙はほぼ見えなくなり、臭いもほぼ無くなります。しかし継続して使う場合、薪を追加するときにも温度が下がりやすいので、数時間後に再度臭うこともあります。
朝晩・曇り・雨の日など、体感的に寒い時に臭うことが多い
さすがに4月ともなると、昼間は20度を超えるため薪ストーブも使われることは(ほぼ)ないでしょう。しかし朝・晩は5~10度くらいになるため、ちょっと肌寒いと感じる日もしばしば。この時期なら、そんな時間帯に薪ストーブが使われることが多いです。
加えて10度~15度くらいの気温があっても、曇りや雨だと体感温度が下がるもの。よってそれらの場合も使われやすいです。
簡単に言えば、ちょっと肌寒い時に使われやすい、ということです。
煙突から煙が出ていることが目視で確認できる
目視でチェックをするのが最も分かりやすいです。臭うなと思うタイミングで外に出て煙突を見てみてください。そのタイミングで煙が出ていたら、薪ストーブが原因である可能性は非常に高いです。
先ほどのとおり、15分~30分ほどは煙が出ているので、その後臭いが収まったら残念ですがほぼ確定です。
新型コロナウィルスと薪ストーブの因果関係
ところで、真冬ならともかくなぜ4月中旬になって我が家周辺で薪ストーブを使う人が増えたのか。4月上旬にかけ、徐々に使われなくなってきた矢先にもかかわらずです。
それには新型コロナウィルスの外出自粛や、緊急事態宣言が影響しているのではないかというのが私の考えです。その理由や影響などを挙げたいと思います。
家族全員が家にいる&外出自粛
現在は、テレワークが推奨されており、ご主人が家にいるご家庭も増えているようですね。さらには学校が休校で子ども達も家にいるかもしれません。
さらに緊急事態宣言により「家にいよう」「STAY HOME」などと、外出を自粛されている。つまりは家族全員が家にいやすい状況です。通常時ではまず考えられない特別な状況ですよね。
薪ストーブを付けたくなる要因が揃う
コロナの問題はもちろん、家族が家にいることにより相当ストレスがたまっている人もいらっしゃると思います。
- 終わりが見えないコロナと外出自粛
- コロナで経済状況が厳しくなる
- 先行きが全く分からない不安
- 遊びに行けずに家にいて騒ぐ子ども
- 慣れないテレワークで働くご主人
- 3食の食事を考え作り、夫や子どもの面倒を見る奥さん
- それでいてレジャーや外食の楽しみも無い
外出自粛に加え、いわゆる「コロナ疲れ」もあり、現在はとてもストレスフルになりやすい状況。そんな時、どうせ家にいるならちょっとでも楽しみたいと思うのが人間ではないでしょうか。
薪ストーブはそれが叶います。不安やストレスを解消し、楽しみや暖かさなどが得られるのです。
- 自粛疲れで少しでも家の中で楽しみたい・行き場の無いストレスの解消
- →燃やすというエンターテインメント性
- 収束が見えないコロナや緊急事態宣言の恐怖から心を落ち着かせたい
- →火を見ることによる安心できる(太古の時代からの心理)
- 家族にいつもと違った料理を作りたい
- →薪ストーブを使った特別感のある料理
- 全員いるなら家族で暖まりたい
- →一人・二人だともったいないけど全員いるならエアコンより薪ストーブ
このこと事態は自然で全く悪いことではないんです。田舎の広めの土地で、正しく使うならとても素敵なこと。しかし住宅街では誰にも一切迷惑をかけないために使うのはかなり難しいものです。
話がそれましたが、これらがコロナの自粛で薪ストーブが使われやすい理由なのではないかと推測します。あくまで私の周りだけであり全国的にそうとは言いませんが、理屈としては通っているのではないでしょうか。
こちらも家族が家にいるので気がつきやすい
そもそもこれまでも近くで薪ストーブは使われていた可能性はあります。例えば普段はあなたが気づかなかったとしましょう。臭いに対する反応は人それぞれなので、それはおかしいことではありません。
しかし家族全員が揃うと、家族内に一人は臭いに気づきやすい人がいたりするもの。ですので受取り側も気がつきやすい状況になっているのではないでしょうか。
私の周りではかなりひどい家も
参考までに、私の周辺では4月上旬はほぼ使われなくなっていたのが、緊急事態宣言後(下旬なのでもう5月近い)によく使われるようになりました。我が家周辺は5件以上の薪ストーブ設置の家がありますが、今までさして気にならなかった家からも煙がやってくるように。ご近所でもちょっとした噂になっています。
家族が揃いやすいため普段とは違う人が焚き付けているのかも!?とか、この時期に使う予定では無かったので乾燥が不十分な薪を使っているのか!?などとも推測しましたが正解はわかりません。
とにもかくにも、コロナのおかげで臭い問題が顕在化した方もいるのではないかと思い、本記事を書いている次第です。
初心者向けの薪ストーブ問題の概要
薪ストーブが何故問題になりえるかの概要をサクッとご紹介します。本ページでは詳細までは触れませんが、おおよそ問題となりえる原因は充分お分かりいただけると思います。
もっと詳しくお知りになりたい方は、当サイトのその他のページも併せてご覧ください。
薪ストーブは必ず多かれ少なかれ臭うもの
まず、「薪ストーブは多かれ少なかれ臭うもの」です。しかしこの原則が、そもそも充分に周知されていません。
薪を燃やしますから煙や臭いが全くのゼロでは無いのは自明の理なはずですが「正しく使えば臭わない。ほとんど煙も出ない」と喧伝されることが多いです。
実際には正しく使っても、焚きつけ時~庫内が高温になるまでには煙が出ます。我が家の窓から見える例だと、どのお宅も15分~30分ほど煙が目視できますね。この間は当然臭います。
加えてそれ以降も、使い方によっては煙が常時出ている不完全燃焼状態が続くこともあります。
ですので実態としては以下のようにお考えください。
- 正しく使っても多少は臭うもの(煙・臭いゼロはない)。
- 正しく使わないとひどく臭うもの。
煙の強さと量は使い方に依存する
薪ストーブはアナログな暖房器具です。エアコンのようにスイッチ一つ押せばいつも同じように暖まるものではありません。
まずは燃やす薪の用意。これは充分に乾燥させたものでないと煙がたくさんでます。煙の多い木・少ない木もあります。燃やしてはいけない木(塗料のついたもの等)もあります。
そしてそれらを焚き付ける。その際、薪の量や組み方などで煙を少なくするテクニックがあるそうです。
要は知識や技術が介入する余地が非常に多いということ。暖まればどうでもいいなんて思いで使っていると、外に煙をまき散らかしかねません。もちろん気をつけている優良薪ストーバーさんもたくさんいらっしゃいますが、一部そうでない方もいます。
煙突の設置位置も重要
当然ですが煙は煙突から出ます。つまりは煙突の近くに隣家の窓や給気口があれば、当然煙が入り込んできます。
「そんな設計にするわけないでしょ」と思いますよね!?しかし例えば自宅が2階建てで、隣の薪ストーブの家が平屋だったら普通に発生し得ることです。

加えて煙突が家の横に位置するか、屋根から出ているかも違います。煙突が家の横に伸びている場合、その分隣家に近くなる。加えて煙の上昇気流が弱まるため、煙が上へ昇る力が弱くなる=臭いやすくなります。

ただ、屋根を突き破った煙突でも、風向きによって煙が下へ降りていくこともあるので絶対的なものではありません。
煙は上方に昇るとは限らない
「煙は上方に昇っていくから臭うわけない」私もそう思っていました。実際は周辺の建物に大きく影響を受けます。また、その日の風向きや強さも影響します。

ですので煙が煙突を出てすぐ下の方に流れていくこともごく普通にありえること。煙突がどんなに屋根より高くても、臭ってくる可能性があります。
デメリットが正しく周知されていないため住宅街にもどんどん設置されてきている
薪ストーブは建築基準法や消防法に則っていれば設置の制限がありません。東京の超住宅密集地でも設置することが可能です。
田舎の広い敷地や山奥で使うととても素敵な薪ストーブですが、住宅地との相性は悪いと言わざるを得ません。しかしながら、各種メディアでの「おしゃれ」「エコ」「ロハス」「スローライフ」的な扱いをされ、臭いのネガティブ情報よりもポジティブ情報が話題になりやすいです。
販売会社も売ってなんぼの業界ですので、結局は売れるような物言いをします。ひいては薪ストーブは新築注文住宅の憧れのオプションになっており、住宅地にも続々と設置されてきています。
煙や臭いの規制も全く無い
設置の規制が無いだけでありません。排出する煙や臭いについての法規制もありません。海外では厳しい排ガス規制などもあるので、日本は遅れていると言えます。
規制が無いということは、例えばご近所の薪ストーブがかなり臭っていても咎めることはできないということ。あくまでお願いして臭いをやわらげてもらうしかないのです。
無法状態のため大迷惑している人がたくさんいる
法規制も無く、事実上どこにでも設置できて利用できる。というわけで不適切な利用者による迷惑行為が各地で発生しています。twitterやブログを見ると、被害に苦しむ人の多いこと。
下手にクレームを入れると相手も態度を硬化してしまい、改善の見込みが無くなってしまうこともあります。まあ、普通に売っていて使って良いものを使っているわけですからね。自分ちの敷地内でタバコを吸っても自由……と同じことです。
ですので住宅街の薪ストーブは非常にセンシティブな問題と言えます。
相手に言ってもいいレベルかどうかの判別法
普通にすぐ言えばいいじゃん、と思われる方はとても心臓が強い方です。実際にはご近所問題もありますし、持ち家の場合はずっと付き合いも続くもの。言ってよいレベルなのか気になる方もいるのではないでしょうか。
私はまず状況を整理し、よく考えることが重要だと思います。
頻度・臭いの強さ・時間帯などを考慮する
こちらの被害度は、以下の項目で変わってきます。これらがそれぞれどのくらい不快かを改めて考えてみてください。
- 相手はどのくらいの頻度で利用しているのか(コロナ過で頻度が増えているのも考慮する)。
- どのくらい臭いが強いのか(不完全燃焼の度合い、煙は直接なのか拡散して届くのか)
- どの時間帯に使われているのか(昼間などで洗濯物に臭いが付く被害が無いか)

もちろん、そんなことを計測するまでも無く困っている場合はすぐ相談してみてくださいね。
お互い様の範疇と思えるか
状況を把握したところで、それはお互い様と思える範疇なのかを考えてみてください。
例えば自身が相手に同じくらい迷惑をかけていると思えるのであれば、それはお互い様なのかもしれません。例えばバーベキューや子どもの騒ぎ越えがうるさくて、かなり迷惑をかけている自負がある場合等です。
とは言え、毎日強い煙被害を被る薪ストーブに対して、月1・2回のバーベキューなどは可愛く思えますけどね。
最終的には本人が苦痛を感じているか
ここまでで判断できればそれでいいと思います。判断できない場合は、本人が苦痛を感じているかが、言う・言わないの判断にしても良いのではないでしょうか。
後述しますが、言うといってもクレーム・苦情でなくてかまいません。「相談」すると考えれば、気持ちが軽くなるはずです。
ご近所問題では「言ったら切れられた」等の例がネット上には多数ありますが、大抵の人はまともな人です。言い方に気をつければ、真摯に対応してくれるケースもあるかもしれません。
相手にやめてもらう・改善してもらう方法
薪ストーブ問題は、相手にやめてもらうか、改善してもらうしか方法はありません。主にどのようにして伝えるかが大事になってきます。
クレーム・苦情でなく相談がベター
先ほども触れましたが改めて。クレームや苦情等の強い物言いではなく、相談がベターです。というのも、クレームや苦情の場合はお互いに感情的になりやすいからです。
一度感情的になられてしまうと相手も心を閉ざしてしまいやすいもの。結果かたくなに拒否されてしまう可能性もあるからです。例えこちらが迷惑を被っていても法律的に権利があるのは相手ですから、こうなってしまうと「詰み」になってしまいかねません。
誰に言うべきか
消防は火事になりそうでないと動きません。役場も地域によって多少異なりますが、ネット上の情報を見てもあまり役に立たなかったという意見が多いです。
本人に直接言うのが基本になるでしょう。

地元の権力者、例えば町内会の会長さんなどに働きかける手も一応はありますね。
いつ言うべきか
直接伝える場合、目で見て分かりやすい時に伝えるのが良いでしょう。例えば薪ストーブの煙がもうもうと上がっている状態。つまりは付け始めのタイミングです。さらに言えば、風向きで煙が下がっているとベストですね。
実際に煙を指さしながら話せば、相手も言い逃れはできませんし、分かってもらいやすいはずです。
複数人で伝えると効果的
どうしても言いづらい時、または相手が“わけあり人物”の場合は、複数人で声をかけてみると良いかもしれません。あなたの家が臭いなら、周りの家も臭いはず=味方になってもらいやすいですからね。
また、一人だけで言えば「この人が神経質なだけではないか!?」と思われてしまうこともあるかもしれませんが、複数人ならそうも思われにくいということもあるでしょう。
まとめ
正しい場所で正しく使えば薪ストーブは本当に素敵な暖房器具です。しかし家が密集している住宅街においては迷惑になりやすいもの。使っている側は暖かいなどたくさんのメリットを享受できますが、その分周りが不幸になってしまうと問題です。
今回のコロナ過で、初めて薪ストーブの問題に気がついた方もいらっしゃるかもしれません。さすがに5月に入れば非寒冷地では使われなくなるでしょうが、問題は消えて無くなるわけではありません。10月・11月頃になればまた使われ始めますから、いずれは対処しなければならない問題です。
当サイトでは今後も少しずつ情報を追加していきますので、来る次の秋冬に備え、各種ブックマークをしておいていただければ幸いです。
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