薪ストーブの煙や利用方法を改善してもらいたい!
そうなった時に必要なことは、薪ストーブ利用者に「困っている旨伝えること」だと思います。
つまり苦情!?クレーム!?ちょっとハードル高いな
困っている旨伝える=「苦情」や「クレーム」というキーワードを連想される方も多いかもしれません。……が、実際には様々な伝え方や、その際のスタンス(姿勢・態度)があると思います。
そこで私なりに、5つの伝え方に分類してみました。
- 苦情を言う
- クレームを言う
- お願いする
- 相談する
- 雑談で伝える
この中の何が良いかというのは一概には言えません。
重要なのは、どの方法を採りたいかを自分で認識すること。そしてそのとおり行動することではないでしょうか。
「お願い」するつもりが、積み重なった恨みでつい「苦情」のようになってしまった!
少なくとも、こうなってしまうと当人にとってはよろしくないと思いますので。
自分はどういうスタンスでどう相手に伝えたいのか。事前に認識しておくことで、適切に振る舞いやすくできるはずです。
また本ページでは「苦情」や「クレーム」は言いたくないという方に対し「お願い」「相談」「雑談」という伝え方もあるよ!ということを提案しています。
少しでもあなたの「伝える」「交渉する」のお役に立てれば幸いです。
苦情を言う
言い方の強い順から書いていきます。当然ですが、言い方が強い=良いというわけではないのでご注意を。
本ページ中、最も強い言い方となるのが「苦情を言う」ことです。
定義
苦情(complain)は人によって理解が異なりそうなので、一応辞書を引用します。
1 他から害や不利益などをこうむっていることに対する不平・不満。また、それを表した言葉。「―を言う」「―が殺到する」
2 苦しい事情。
苦情(くじょう)の意味・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書
ここでは、1の方の意味として使います。不平・不満を口に出すということは、
住宅地のど真ん中で薪ストーブなんて非常識です。改善してください。
煙でものすごく臭くて困っています。迷惑なので止めてください。
……等という強めの言い方をすることになります。
苦情にも強さの強弱がありますが、強いほどメリット・デメリットともに色濃く影響を与えるため、最も注意が必要な伝え方と言えそうです。
メリット
不平・不満を持っていることが相手にストレートに伝わる、ということくらいでしょうか。ただしそれはデメリットにもなりえる可能性もありますが……。
また、以下の場合は限定的に効果的なこともあるかもしれません。
- あなたがコワモテである
- あなたの方が明らかに立場・権力が上の場合
- その他あなたを敵に回したら相手に不利益が起こりえる場合
そもそもこれらの状況であれば苦情でなくても良いと思いますが。
デメリット
強い言い方をすると、相手は攻撃されたと感じ身構えます。ひいては敵対心を抱かせてしまいやすいことになるため、それが大きなデメリットだと言えるでしょう。
特に感情的になっての苦情は悪手中の悪手です。本問題に限らず、売り言葉に買い言葉(感情的な物言いの応酬)となることはめずらしくありません。
苦情の結果、一度関係がこじれてしまえば最悪です。そうなれば事実上詰んでしまうという、大きなリスクがあります。
そのため「苦情をつけてやるぞ!」というスタンスの伝え方は、多くのケースで良くないのではと私は考えます。
クレームを言う
苦情の次に、強めの言い方となりやすいのが「クレームを言う」ことです。
定義
こちらも人により認識が異なる用語なので、定義を明確にします。
日本語のクレームは拡大解釈され、苦情と近い意味となってしまうので、本来の意味のクレーム(英語のclaim)として考えます。
〔事実として~を〕主張する、言い張る、断言する
〔当然のこととして~を〕要求[請求]する、求める
〔~に対する権利を〕主張する
claimの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB
全ての人には良好な環境の中で生活する権利があります。その権利の基で薪ストーブ問題の改善を求めること、といったスタンスでしょうか。
薪ストーブの煙が我が家まで入り込んできて強く臭います。洗濯物にも臭いがついて困りますので、煙を極力出さないよう改善していただけないでしょうか。
苦情とは異なり、怒りや感情にまかせたニュアンスはありません。冷静に権利を主張します。
また、正当な権利を超える可能性のある要求(完全に止めてほしい等)はしないようなイメージです。
メリット
怒りや感情にまかせた言葉は使わない&必要以上の要求をしない。この2点により、苦情よりは敵対心を与える可能性はやや減ります(あくまで比較してという意味で)。
また主張・要求がメインのため「具体的に何の改善をしてほしいか」が苦情より伝わりやすいかもしれません。
デメリット
「権利の主張」は自分都合です。相手の「薪ストーブを使用する権利」を考えずに、一方的な主張をすると簡単にこじれます。いわゆるクレーマー扱いですね。
相手の権利も考えた上での、ほど良い案配のクレームにするのはなかなか難しいかもしれません。
クレームの場合「クレームをつける・言う」よりも「クレームを伝える」というスタンスの方がまだ敵対心を与えにくそうです。
お願いをする
ここからは、苦情・クレームと比べてれば柔らかな言い方となってきます。あまり強く言いたくない方は、これ以降の方法をお薦めします。
単純に利用方法について「お願いをする」ことです。
定義
一見して「クレームと同じでは!?」と思われる方もいるかもしれません。確かに結果として伝える内容は似ています。
大きな違いは自分の権利を主張しないというスタンスの違いです。
相手に利用する権利があることをベースに、丁重にお願いをします。そうなると言い回しもわずかに変わってきますよね。
申しあげにくいのですが、薪ストーブの煙が我が家まで入り込んできています。とても素敵なものだと思うのですが、利用方法をご検討いただけないでしょうか?
「苦情やクレームを言う」のは誰だって嫌なものです。そうではなく「単にお願いするだけ」というスタンスで望めば、少し気が楽になるかもしれません。
長年付き合いがあるかもしれないご近所問題では、むしろこのお願いベースが一般的かなと私は思います。
メリット
言い方さえ間違えなければ、相手も攻撃されたと感じる人は多くないと思います(ゼロではありません)。
一般的な感覚の方であれば「ああ、迷惑をかけていたのだな」と思ってくれるはずです。
デメリット
あくまでお願いという弱い伝え方ですので、それを聞いてくれるかどうかは相手次第です。
残念ながら私たちがどれだけ困っているかは、利用者側にはなかなか伝わりません。いじめる側がいじめられる側のつらさを真に理解できないのと同じです。
お願いしても「それくらいお互い様の範疇でしょ!?」となることも普通にあると思います。
また、例え「すみません、改善します」と対応してくれたとしても改善するかは全く別だという点です。排煙処理装置でもつけない限り、そこそこの煙が出るのが薪ストーブというもの。
改善されず、繰り返しお願いをすればいつかはクレーマー認定されてしまう可能性があります。
自分が努力しても改善されなければ、悪いのは相手の方。と考えたくなる気持ちは分からないでもありませんが……。
相談する
苦情でもクレームでもお願いにもあてはまらない、あくまで「相談する」だけの伝え方です。
定義
苦情・クレーム・お願いからいろいろなものを引いた伝え方、と言えば分かりやすいでしょうか。
以下のような感じです。
- 不平・不満を口にしない
- 権利を主張しない
- 具体的なお願いを最初からしない(相談が進む中で提案・妥協案のような形でのお願いはあり)
臭い・迷惑・こうしてほしいなどの自分の気持ちは述べず、あくまで相手との相談=会話から改善に繋げていくのが目的です。
これにはいろいろなアプローチがあると思いますが、例えばこんな感じではいかがでしょうか。
毎日○時頃に辺りに煙の臭いを感じるのですが、お心あたりないでしょうか?
薪ストーブの煙が降りてきているようなのですが、そういうものなのでしょうか?子供が喘息持ちで、咳き込んでしまっているのです。
問題が発生している事実をベースに相談を投げかけます。すると相手から返事が返ってきますので、そこからがスタートです。
メリット
言い方次第で遠回しにもできるので、角が立ちづらいです。遠回しにせずとも、あくまで「相談」であり、不平・不満も言わず、権利の主張やお願いをしないので、極端に気分を害される可能性は高くないでしょう。
とにかく相談事項として“会話のボールを投げる”ことで、相手に知ってもらえる&反応を伺うことが可能です。
相手次第では、この相談を投げるだけで「すみません!」「改善します!」等と自発的に改善してくれる可能性もあるでしょう。
デメリット
遠回しな言い方をすれば、分かってもらえず無意味になります。
また、
- 改善するという考えがそもそも無い人
- 煙を出している認識の無い人
- 非常識な人
などの場合「はぁ」「それで!?」「そんなわけないでしょう」「そうでしたかすみません(終わり)」等と、まともな相談にすらならず、会話が終わってしまう可能性もあります。
別の言い方をすれば、相談は常識人以外には全く通用しない方法とも言えそうです。
そういった方には、はっきりとお願い以上の方法を採らないと伝わらないことでしょう。
雑談で伝える
比較的柔らかな言い方の部類である「お願い」や「相談」ですら、なんだか改まって話しに行くイメージです。
薪ストーブ利用者宅のチャイムを鳴らしていざ話す……というのは、例えお願い・相談でも緊張しますよね。
そんなの無理!したくない!という方向けの究極にライトな方法。それが「雑談で伝える方法」です。
定義
庭先でばったりあって、天気の話や、他の話をしている中で、軽く薪ストーブの話題を挟みます。そこで相手の反応を試しながら(必要に応じ遠回しに)伝えます。
今日はとても寒いですねぇ。あ、薪ストーブってやっぱり暖かいのですか!?(導入)
~中略:ver1~そうなんですね!いいですね!ちなみにご利用時は我が家にまで香ってきているのですが、室内は大丈夫なのですか!?
~中略:ver2~そうなんですね!いいですね!ところで昨日煙突からすごく煙が出ていたようなのですが、大丈夫ですか!?トラブルでもあったのかと思い心配してたんですよ。
この例はかなり遠回しにした例です。煙が来ているor出ていることを盛り込み、反応を見ることができます。
もちろんもっと直接的に言うのもありです。……が、この方法を採る=遠回しにしたい方が多いと思い、こういった例としました。
メリット
他と比べたメリットは意外と多くあります。
- 比較的重苦しくなく、さらっと伝えられる
- 言い方次第で遠回しレベルを自由に変えられる
- 相手の薪ストーブに対する思いや反応などを得られる
中でもさらっと伝えられる、遠回しにもできるという点は、ハードルが低く、険悪になる可能性を最も低くできるということ。
それが大きなメリットでしょうか。
苦情・クレーム・お願い・相談、どれもいや!けれど相手に察してほしい……という場合にも向きます。
デメリット
遠回しな言い方では、迷惑を被っていることまで相手には伝わらない可能性があります。鈍い人は全く気がつかないでしょう。
また、言い回しを誤ると印象を悪くする可能性もゼロではないので、気にする場合は言葉を選びたいところです。
先ほどの例のとおり「臭い」を「香り」というなどの言い換えも場合によってはありかもしれません。
とは言えポジティブな言葉に言い換えるほど、相手に伝わりづらくなってはしまいますけれどね。お付き合いの最初なら、こういうところからコミュニケーションをとるのもありかもです。
まとめ
どのような伝え方をすれば良いかの選択は、非常に難しいものがあると思います。その後のお付き合いまで大きく左右してしまうので、慎重になるのが当然ですよね。
ちなみにこれらの方法は、1つに絞る必要はありません。最初は超絶遠回しな雑談で相手の反応をみる→お願いをするなどの方法もあると思います。
相手の性格や自分の性格・立場など、様々な要因などをもとに検討してみてはいかがでしょうか。
おまけ
最後に1点。長年我慢を重ねると、積もり積もった憎しみや恨みで、どうしても態度や言葉の端々に出てしまいやすくなります。
というか話したくもなくなってきます。
特に雑談・相談・お願いなどの柔らかい表現を希望される方は、注意が必要かもしれません。これについては別記事で書きたいと思います。
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