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ここからは、ちょっとベクトルを変えた内容に移ります。

薪ストーブ利用について、苦情・クレームを入れてきた当人は、多かれ少なかれ不快感や、嫌悪感を持っていることが多いと思います。

何度も書いているように、我慢していますからね。

これらの感情は、苦情・クレームを解決する際に足かせになります。

できるだけ悪感情を持たれないよう気をつけることで、許容してもらいやすくする。ひいては問題を解決する補助となる可能性があります。

まだ苦情・クレームを言ってはいないけれど、少し不快に思っている近隣住民に対しても効果があります。

より許容してもらいやすくする方法【薪編】

薪棚

不快・嫌悪などの気持ちがあれば許容の気持ちはなかなか持てません。

ここでは、薪ストーブの要の一つである「薪」の些細なことから、周辺住民が嫌悪感を感じ得るポイントを書きます。

これらは利用者さんの立場ではなかなか気づかないこともあると思います。もし取り入れられる部分があれば、参考にしてください。

基本的な利用・マナーができている前提のお話です。

質の悪い薪を置かない

周辺住民は、見ていないようで実によく見ています。ですので質の悪い薪を置いたり、使ったりするのはできるだけ止めることをお勧めします。

近隣住民
近隣住民

え!こんな薪を燃やすの!?燃やして良いの?子供もいるし、心配……。

……というように感じる程の質の悪い薪は、心証を悪くしかねません。

質の悪い薪とは以下のようなものです。

  • 真っ黒・変色している
  • カビだらけ
  • ボロボロで腐敗している
  • 釘や金属片など異物が含まれる
  • 古ぼけた廃材

利用される側目線では、こういった薪はちょっと心配、というか不快感を感じる人もいます。よく考えれば当然ですよね。

何か住んでいそうで、境界間際には厳しいレベルの薪

余談ですが、釘や金属でも何でも燃やせるというふれこみの薪ストーブもあります。

しかし釘にもいろいろな種類があり、塗装・コーティングされていることもあります。何でも燃やせるというのは一概には言えないでしょう。

廃材も同様に、本当に無垢・無塗装・無防腐剤の廃材なら良いと思われます。しかしながらその素性が明確でなかったり、見た目的に問題があるようなものは、周囲から疑念を抱かれる可能性があります。

薪を雨ざらしにしない

薪を乾燥させなければならないことは、利用者だけではなく、苦情・クレームをしている側も知っている可能性は高いです。それくらい、事前に下調べをしてから声をかけるものです。

ですから薪を雨ざらしにしていると、こんな風に思う人がいます。

近隣住民
近隣住民

薪を雨ざらしにしてる……。きっと乾燥が不十分なんじゃないかな。

一概に薪が雨ざらしだと乾燥しない、というわけでもないのかもしれません。それに関しては私は専門外につき言及しません。

しかしながら少なくとも言えるのは、被害を受ける側からすれば「これはちゃんとやってないのでは!?」と思ってしまうものです。

実際にそれが問題になる・ならないはさておき、わざわざそんな疑惑を受ける必要はないですよね。

住宅地でのお作法として、その辺を丁寧にやっている所をアピールして損はないと思います。

ヤマダ
ヤマダ

雨ざらしでしかも大雨の直後に薪ストーブを使って強めの臭い発生……というのは「ちゃんとやってない」と思われてもおかしくないですよ。

薪棚を作る

いくら屋根があったとしても、乱雑に地面に放置された薪は、あまり印象がよくありません。風通しに関わる=乾燥にも関わることですし、なにより雑に管理・使用されている感が出てしまいます。

屋根のある薪棚を設置し、整然と配置された様は、丁寧な利用者という認識を持たれやすいでしょう。

ヤマダ
ヤマダ

実際見てみると、かなりその人の性格が出るなという印象です。やはり薪棚で綺麗に管理されているお宅の方が印象は良いですよ。

薪を境界間際におかない

薪は自然のものですから、どうしても虫などが集まってきます。

  • シロアリ
  • ゴキブリ
  • ムカデ
  • カミキリ虫

正直、これらの見たくない虫がどうしても発生します。

ですので

近隣住民
近隣住民

敷地の境界ギリギリのところに薪をおいて欲しくないな……。

という方もいます。

個人的に最も怖いのが、蜂の巣を作られることです。隣地ですから何もできませんし、気づかなければこちらからわざわざ言わないといけないのもストレスです。

迷惑をかけないためにも、スペースに余裕をもって薪棚を設置すると良いでしょう。

薪割り・チェーンソーはしない

これについては「ちょっとぐらい……」と思う方も多いと思いますが、実際薪割りや、チェーンソーの音はかなり響くことがあります。

  • 薪割り→音&地響き(振動)
  • チェーンソー→音
チェーンソー

チェーンソーは誰でも分かりやすい音を発しますが、気づきにくいのは薪割りの方です。住宅密集地では、地続きの隣接宅に大きな地響き(振動)を発生させてしまうことがあります。

当然ですが地響きは耳栓をしても防げません。

近隣で伐採した木を分けてもらって、自分で加工して燃やす。これは薪ストーブの醍醐味の一つだと思います。

山に近い地域ではこれが当然のように行われていますね。

しかし住宅地で同じことことができるか・許容を得られるかは別です。薪割り・チェーンソーをしないことにより、その点は損かもしれませんが、トータルでの理解を得られやすいかもしれません。

ヤマダ
ヤマダ

住宅地では、信頼のおける業者さんから買うのが一番良いと考えます。

煙だけでも迷惑を感じている人がいた場合「音や振動でも迷惑をかけるなんて全てが迷惑な趣味だな!」と思われてしまいます。薪ストーブ自体を許容してもらいたい場合、わざわざ音や地響きでマイナスになることをしない方が良い、という理屈です。

薪割り・チェーンソーについては以下記事もご覧ください。

より許容してもらいやすくする方法【コミュニケーション編】

コミュニケーション

コミュニケーションの方法を誤ると、さらなる嫌悪の感情を生み出してしまいます。つまり、苦情・クレームの解決に悪影響を及ぼしてしまう可能性が高まります。

そうならないために、嫌悪させないためのコミュニケーション術について考えてみましょう。

法律を盾にしない

利用者さん
利用者さん

薪ストーブは法律で使用が認められています。

これは正論です。ド正論ですが、住宅地でのコミュニケーションにおいて法律を持ち出すのはほとんどの場合正しくありません。

法律で認められている=禁止されていない=正当化できることではありません。

それを良しとしてしまえば、お隣で毎日バーベキューをされたり、毎日バスケットボールでダムダムされても文句が言えないことになってしまいます。……迷惑ですよね!?

また、法律を持ち出すのは開き直りを意味します。本当に相手と敵対的関係になっても良いとき以外、口にしてはいけない言葉です。

問題のある言葉を使わない

法律を盾にする以外にも、問題になりかねない「言わない方が良い言葉」「被害者がイラッとくる言葉」は非常にたくさんあります。

円滑なコミュニケーションを取るためには、以下ページもご一読されると良いかもしれません。

論理的な説明をする

苦情・クレームをしている側からすれば、なんとなくの適当な感覚で薪ストーブを使われていることが時に不快を感じます。

例えば……

ヤマダ妻
ヤマダ妻

薪は乾燥させていらっしゃいますか?

利用者さん
利用者さん

1年以上放置してるし、たぶん乾燥していると思います。

近隣住民
近隣住民

たぶんって(汗)。しかも最近雨続きだったし本当に乾燥しているのかな。

実際に乾燥している・していないの問題は置いておき、周囲は適当に使われていることに不快感を感じます。

逆に以下の様に答えられたら、しっかりしているな、と思ってもらえるでしょう。

利用者さん
利用者さん

利用の都度、測定器で○%以下に乾燥していることを確認して使っています。

数値や事実を用い、論理的に説明すると相手に「モヤモヤ感」が生まれにくくなります。

せっかくやっていることは、是非きちんと言いましょう。

  • 改めてプロにレクチャーをしてもらいより上手く使っています。
  • 年1回メンテナンスをしています。
  • 煙突を3メートル高くしました。

その後の対応・進捗を伝える

苦情・クレームをする側は、力を振り絞ってそれを伝えています。非常に大事であり、その対応に期待もしています。

ですからその対応いかんで、相手の感情・心理は大きく変わってくるのは当然でしょう。

以下の3点は特に重要な要素と考えられます。

  1. 対応方法→どうやって改善するかの報告
  2. 進捗→途中経過の報告
  3. 実施→実施報告

もし報告という言葉がなじめなければ、共有と読みかえてください。

これらを行うことで、あなたの苦情・クレームに真摯に対応していますよと、態度で示すことが可能です。

逆に言えば、これらをしなければ、対応してくれていない。適当にされていると思われることでしょう。

アフターフォローをする

苦情・クレーム全般に言えることですが、アフターフォローが非常に重要です。対応策を実施した後に、改善しているか、ひいてはそれで問題が解決したかを確認するまでが苦情クレーム対応です。

利用者さん
利用者さん

先日お話したとおり、都度薪の水分を測るようにし、煙突を2m高くしました。昼間も使わないようにしています。

利用者さん
利用者さん

それで、その後はいかがでしょう?改善していますか?気になる点があれば遠慮無く言ってくださいね。

近隣住民
近隣住民

ご対応ありがとうございます。実は……

このようなフォローを入れ、そこからまだ気になっているのか、改善しているのなど、最後まで責任を持てばとても素晴らしい対応と思います。

気にかけてもらえている、尊重されている、ということが伝わるからです。まだ気になる点があっても、言い出しやすいですね。

逆にそれをせずに、しかもまだ改善されていないとしたら、苦情・クレームを入れた側の心理はどうなるでしょうか?

近隣住民
近隣住民

全然改善されてない、その後何も言ってこない(怒)。

こうなると、当初よりも余計に怒りが発生しかねません。普通に考えれば分かりますよね。

その後もコミュニケーションを取る

一度問題無い程度までに改善できた場合でも、コミュニケーションは終わりではありません。

  • やっぱり改善は気のせいだった
  • もう少し配慮してほしい

などの気持ちがあっても、一度対応してもらったので言い出しづらいものです。

それでも不満や我慢等の悪感情は積み重なっていきます。

そうならないためにも、定期的にコミュニケーションを取り、相手に不満が無いか確認できればベストですね。

ヤマダ
ヤマダ

こんな気を使ってくれる薪ストーブユーザーさんなら、許容を引き出しやすいと思います。

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