暖かい季節、家族や友人を招いてわいわいバーベキューをしているのが、あちこちで見られます。
私の周辺でもそうで、隣近所でもよくやっています。正直言って、うるさかったり、煙がもくもくとやってきたりもするので、あまりうれしいことではありません。
ですが私は、ある家族のバーベキューはそれほど気にならないですが、また別の家族のバーベキューはイラだっていることに気づきました(共に薪ストーブ利用者とは無関係です)。
結論から書くと、これは我が家に対するコミュニケーションや姿勢の違いのようです。
本ページでは、対極とも言える2家族の例から、ご近所問題はコミュニケーションが大事だと再確認したこと。そしてそれが薪ストーブにも応用可能かどうかを考えてみたいと思います。
A家のケース
まずは、「バーベキューがそれほど気にならない」ご家族のケースを見てみましょう。便宜上、本ページでは「A家」と定義します。
実施前に連絡をくれる
毎回、訪ねてきて、
すみません。今日の午後○時ごろからバーベキューをしようと思うのですが、大丈夫でしょうか?
と声を掛けてくれます。
もちろん、一度も「駄目です」とは言ったことはありません(というか言えません)。いつも「どうぞどうぞ」と言っていますが、律儀に毎回声を掛けてくれます。
連絡をもらえるので、洗濯物は毎回その時間までに取り込むことができます。当日に言われてまだ乾いていないときもありますが、さして気になりません。
室内干しすればいいだけ。後述しますが、煙にさらされるより全然良いからです。
お礼のお菓子をいただくことも
毎回ではありませんが、たまに「良かったら食べてください」と挨拶時にお菓子などをいただくことがあります。
正直、毎回そういった気遣いをされると過大であり、恐縮してしまうので逆に困ります。……が、こちらが困らない程度にたまにいただくので、普通にうれしく思います。
そこまで考えての上だったらすごいです。
後日フォローされることも
バーベキュー後、たまたま顔を合わせることがあれば、フォローされます。
こんにちは、先日のバーベキュー迷惑ではなかったですか!?ご迷惑をおかけしました。
あ、こんにちは。いえいえ、全然気にしないでください!
丁寧な人だなぁ。ほんとは風向きで一時は薪ストーブレベルに部屋が煙くなった時もあったけど、たまにのことだしその気配りがうれしい。
B家のケース
もう一家族は、本当に対極にある家族です。こちらは「B家」と定義します。
一切連絡なし
説明がひと言で済んでしまうのですが……事前・事後の連絡は一切ありません。大抵は炭火の臭いorはしゃぎ声で「あ、やりはじめたな」と気がつきます。
もちろん、関係が険悪などではありません。道で会えば普通に挨拶する間柄です。でも、バーベキューに関することは何も言われたことはないですね。
おそらくは当然の権利と思っているのか、迷惑に気づいていないか(そんな人いるのか分かりませんが)のどちらかでしょう。
時には昼間から夜にかけて長時間だったり、大人数を呼んだりなど「特別なバーベキューの日」もありました。それでも一度も声を掛けられたことはありません。
人のことは気にしない・気にならない方なんでしょう。個人的にはちょっと理解しがたいですが、いろんな人がいますからね。
私のA家・B家の印象
これまで、A家・B家の印象など考えたこともありませんでした。それもこれも、薪ストーブ宅の被害&印象が悪すぎたためですけれど。。
しかしある時、ふとしたことでA家・B家の印象が顕在化したので、改めて感情を明文化してみたいと思います。
前提条件
念のため前提条件を箇条書きにすると、こんな感じです。
- バーベキューをして良いかは住宅が密集していてきわどいライン
- 我が家はバーベキューはしない
- その他会話は挨拶程度
ご近所同士あまり干渉しない地域なので、会話の機会は近所での挨拶程度。印象を決定づけるほどの接点(話す機会)はありません。
また、住宅街でのバーベキューは賛否ありますが、個人的にはちょっとやれない(逆に言えばぎりぎりやれる!?)と思うレベルです。
天と地ほどの印象の差がある
もとから漠然とした印象はありましたが、改めてよく考えると明確でした。
- A家は普通に好意的・仲良くなりたい
- B家は嫌い・あまり関わりたくない
A家とはほとんど話すこともありませんが、常識のある良い方という印象です。というのもイラっとさせられたことが一度もないから。悪く思う理由もありません。
一方、B家は思い返せばプチイラがよくありました。洗濯物を干しているのに楽しそうに炭火を煽っている際には「やる前に言ってくれ!」と毎回思います。
例えプチイラでも、悪印象は長年かけて少しずつ積み重なり、印象に大きく影響するようです。
B家は私の常識とはまた違う常識で生きている人。お友達にはなれない人という感じです。もちろんそれでも挨拶など、私からの接し方はA家・B家で同じですよ。
バーベキューへの寛容度も異なる
B家の方が頻度が高い&たまに多く人を呼ぶこともあるという違いはあります。しかしバーベキューをやれば、A家・B家も臭いや騒音が発生するのは同じです。
しかし、A家は許可を求められるといつも「どうぞどうぞ」と心から思います。対してB家は「またやってるよ。迷惑だなぁ」という感覚です。
同じバーベキューでも、寛容度がまるっきり異なっている状態です。
ちなみに妻も私と同意見です。それでも、夫婦揃ってB家には何も言いませんけどね。
他のことも気になり出す
相手の印象が悪くなると、いちいち他のことまで気になるようになります。
例えばB家は複数の子供がしょっちゅう道路で奇声を発しながらボール遊びをしています。また、時折私の敷地内に入ってくることもあります。
これを見て「道路は遊ぶところではないのになぁ」「敷地には入ってこないで欲しいなぁ」とモヤモヤした感情になります。
面白いのが、以前は「いつも元気だなぁ」と微笑ましく見ていたことです。相手家族への印象(好意)の度合い次第で、こちらの感じ方が変わってくるのだなとしみじみ感じました。
コミュニケーション&配慮する姿勢はめっちゃ大事
ここまで書いたことだけでも分かるように、コミュニケーションは非常に重要と考えます。誰もが知っている事ですが、実体験から腑に落ちました。
特に重要なのは、やる側、つまり他人に迷惑をかける側でしょう。
相手を配慮する姿勢を持ち適切なコミュニケーションをすること。それは双方にとってもプラスになるはずです。A家とB家では何が違ったのか、考えてみたいと思います。
A家とB家のコミュニケーションの違い
すでに書いたとおり、B家からは全くコミュニケーションがありませんでした。
対してお手本であるA家が行ったコミュニケーションをまとめると以下です。
- 事前にやることを伝える
- 時には手土産も
- 後日お礼を言う
事前・事後のコミュニケーションをとることで、A家の印象がよくなったことに繋がったと思います。
配慮する姿勢&思いやりがあってこそ
しかし先ほどの3点を真似ておけば、コミュニケーションOK!バーベキューも万事OK!というわけではないでしょう。
私がA家に好印象を持ったのは、コミュニケーションそのものに加え、根本にある「相手に配慮する姿勢」が充分に伝わってきたこと。それが大きいと思います。
極力迷惑をかけないように考えた結果が、先ほどの3点というわけです。
バーベキューは煙や音が出ます。住宅街であれば自分の家だけの問題ではありません。
それを理解し、相手を気遣い、尊重する姿勢。私がA家に好印象を持った理由の根源は、そこにあるのではないかと考えます。
やられる側もコミュニケーションは大事かも
やられる側としても、改善したいのであればコミュニケーションをとっておくことは重要です。誰だって、イラッとしたり、人を嫌いになったりしたくはないですからね。
例えば私がもっと早くにB家に対し「大変恐縮なのですが、事前にお伝え頂ければ幸いです」とコミュニケーションをとっていたらどうでしょうか。「ああ、すいません、以後そうします」と、察してくれた「かも」しれません。
ひいては、私が相手を嫌いにならなかった可能性もある「かも」しれません。
ちなみに私がB家のバーベキューでコミュニケーションをとろうとしなかったのには理由があります。
それは「迷惑だけど、事を荒立てる可能性を考えればわざわざ言うほどでなかった」からです。
逆に言えば、言われた時点で相手は相当迷惑・困っている可能性があるということでしょう。
何も言われない=迷惑を掛けてないわけではありません。ご近所問題のあらゆることに言えると思います。
薪ストーブ問題で応用可能か考えてみた
これらのことは、薪ストーブ問題も根本的には同じ事だと思います。ですので応用可能かどうか考えてみました。……が、残念なことに実はバーベキューより難しいようです。
初利用の前にコミュニケーションをとるのが理想
バーベキューの例を参考にすると、近隣住民に配慮する姿勢を持ち、コミュニケーションをきちんととる。そうすれば、薪ストーブも「どうぞどうぞ」となる可能性もある(?)のかもしれません。
何も言わずに焚けば、今回のバーベキューで言えばB家のようになります。周辺は突然の煙に驚く可能性があります。
A家を目指すのであれば、薪ストーブ利用の初期段階(できれば初利用の前)にコミュニケーションをとるのが理想ではないでしょうか。
最初の段階で「気になることがあればすぐに言ってくださいね」と言ってくれ、その後のフォローもしてくれたら、ずいぶん気持ちも違ったと思います。
定期的なコミュニケーション・フォローが必要
しかしバーベキューと薪ストーブでは大きく異なるのが頻度です。実際は「明日薪ストーブを焚きますね」などと毎回言う人はいないでしょう。
事前連絡がないのは日常性が理由です。バーベキューはたまにしかやらない「非日常」と感じやすいことに対し、薪ストーブは「日常」だからです(最初のシーズンは「非日常」かもしれませんが)。
そのため、配慮する姿勢やコミュニケーション・フォローは、本来定期的に行った方が良いはずです。
……が、当たり前の日常になってしまうと迷惑を掛けていることを忘れて放置してしまう。もしくは途中で「相手が神経質」と決めつけてコミュニケーションが無くなることもめずらしくないようです。
ひいては怒りが積み重なってしまうことも発生してしまいます。
コミュニケーションでどうにもならないことも
バーベキューの例に戻りますが、例えばA家であっても毎日バーベキューをするようになれば、さすがに相手の姿勢を疑います。それに、毎日煙がやってくるという明らかに不快な生活になることでしょう。
つまり、いくらコミュニケーションを上手にとっても、どうにもならないことがあるのです。それが、毎日のように使い、多かれ少なかれ煙が発生する薪ストーブの難しいところです。
コミュニケーションで済む限度を超えている場合は、利用を止めるor排気浄化装置で物理的に煙を減らすくらいしか抜本的な方法はありません。
結果、「相手が神経質」「自分は問題無い」と思うことで利用者がコミュニケーションを放棄するケースもあります。相手が悪いと決めつければ、利用者にとって都合が良いという心理が働くためです。被害者の言い方が悪いと、よりそうなりやすいですのでご注意を。
薪ストーブユーザーさんが知っておきたいこと
まだ何もコミュニケーションをとっていないなら、今すぐ自分からコミュニケーションをとりましょう。
今現在、どんどんと不快な感情が周辺に溜まっているかもしれません。クレームが無い=迷惑をかけていないわけではありません。
周辺の怒りが爆発するより、自分からコミュニケーションをとった方がまだ良いです。
そして、相手を気遣い、尊重する姿勢を見せましょう。「臭ってないですか?」「問題があればすぐ対処します」とコミュニケーションをとることが重要です。
すでにコミュニケーションをとっている、という方も、1度だけではなく定期的なコミュニケーション・フォローをすると、相手の印象は変わりやすいと思います。
参考までに、コミュニケーションの際に言わない方が良い言葉をまとめたのでリンクを置いておきます。
薪ストーブ被害者の方が知っておきたいこと
被害者の側も、薪ストーブ利用者の方の権利や心情を理解した上でコミュニケーションをしなければなりません。
ここは住宅地です。薪ストーブなんて非常識です!
煙が酷く臭いです。薪ストーブを使うの止めてくれませんか
は!?気をつけて使ってるし、法律でも認められてるんだけど!?
こういった強い苦情や過大なクレームは、自分のことしか考えていない点ではB家と同じになってしまいます(ご本人が考える正しい・正しくないはここでは別として)。
薪ストーブは相手の趣味に関すること。ひいては言い方には細心の注意を払い、反感を買わないようコミュニケーションをとる必要があります。正直、難しいです。
中には「なにをきれい事を」と思われる方もいるかもしれません。しかしまだ険悪でない状態であれば、近所問題はコミュニケーションで解決できるにこしたことはないと思います。
以下ページで、被害者側が言わない方が良い言葉をまとめましたので参考にしていただければ幸いです。
まとめ
バーベキューの実例により、コミュニケーションや相手に対する姿勢が重要である。ということを再確認したことの共有でした。
とは言え、
そんなことはわざわざ言われなくても分かってる!
コミュニケーションが重要と分かったところで、相手にその気がなければどうしようもない。
……というのはごもっともです。迷惑をかける可能性がある側が、コミュニケーションを拒否したり、話が通じない人だったりすれば終わりです。
私も、何となく理解していたことをちょうど良い例があったので明文化しただけのこと。そして、本ページの内容が今すぐ即効性がある内容かと言えば、最初に記載したとおりそれも無いでしょう。
そんな自分の無力さを承知の上で、せめてものまとめです。
- 現在隣人の迷惑行為にお悩みの方
- →何も言ってないなら負の感情が月日と共に膨れます
- →相手が憎しみの対象となる前にコミュニケーションをとりましょう
- →コミュニケーションをとる際には相手の権利も理解した上で
- →相手が宇宙人の場合はコミュニケーション云々の問題ではありません
- バーベキューや薪ストーブなどをする方
- →自分の趣味が人に迷惑を掛けていることもあるかもしれません
- →音・煙など敷地内で完結しないことは、近隣に配慮する姿勢が大事です
- →言われていないから迷惑でないわけではありません
- →配慮する姿勢をもってコミュニケーションすれば、好意的に見られやすくなります
どうか住宅地の薪ストーブ利用者・住宅地のバーベキュー実施者、道路族、野焼き、その他騒音や悪臭などを発する方に届いてくれたら幸いです。
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